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DOM/DDM マルチベンダーCLI
DOM/DDM はファイバを抜かずに両端の Tx・Rx・温度・電圧・バイアス電流を読める、切り分けの起点です。ここでは主要ベンダー/NOS の確認コマンドを一覧化し、Tx と Rx を方向別・両端で読んで『壊れている方向』を当てる読み方、そして DOM の精度の限界(±数dB)までを整理します。
更新 2026-06-21/約 7 分/DOM · DDM · デジタル光モニタ · show interfaces transceiver
01
DOM/DDM が切り分けの起点になる理由
いまの SFP/SFP+/QSFP はほぼ DOM/DDM(デジタル光モニタ) に対応し、 スイッチから Tx 出力・Rx 受光・温度・バイアス電流・電圧 を直接読めます。 ファイバを抜かずに両端の送受光が一度に分かるので、ここが切り分けの起点です。
まず DOM、次に物理
ファイバを抜く=端面を汚すリスク。CLI の DOM で済むならケーブルに触れない。 DOM で当たりが付かない(経路のどこで損失か・断線距離)ときに、はじめて光パワーメータや VFL に進みます。
02
マルチベンダー確認コマンド一覧
主要ベンダー/NOS の DOM/DDM 確認コマンドです。まず一覧から自機のものを引いてください。
| ベンダー / NOS | DOM/DDM 確認コマンド |
|---|---|
| Cisco IOS / IOS-XE | show interfaces transceiver detail |
| Cisco NX-OS | show interface ethernet1/1 transceiver details |
| Cisco IOS-XR | show controllers optics 0/0/0/0 |
| Juniper Junos | show interfaces diagnostics optics xe-0/0/0 |
| Arista EOS | show interfaces transceiver detail |
| Nokia SR OS | show port 1/1/1 detail |
| Huawei VRP | display transceiver interface 10GE1/0/1 verbose |
| HPE / H3C Comware | display transceiver diagnosis interface Ten-GigabitEthernet1/0/1 |
| Aruba CX | show interface dom |
| Extreme EXOS | show ports 1 transceiver information detail |
| Cumulus / Linux NOS | ethtool -m swp1 |
| SONiC | show interfaces transceiver eeprom -d Ethernet0 |
| MikroTik RouterOS | /interface ethernet monitor sfp-sfpplus1 once |
| Brocade Fabric OS(FC SAN) | sfpshow |
| Brocade FastIron / ICX(Ruckus) | show optic ethernet 1/1/1 |
| Brocade VDX / Network OS(現 Extreme) | show media interface tengigabitethernet 1/0/1 |
代表例:Cisco と Juniper
Cisco IOS-XE
! 全ポートの Tx/Rx を一覧 show interfaces transceiver ! 個別ポートの詳細(しきい値・アラーム付き) show interfaces TenGigabitEthernet1/0/1 transceiver detail
Juniper Junos
# Laser 出力 / 受光(dBm) / 温度 / アラームを表示 show interfaces diagnostics optics xe-0/0/0
03
Tx と Rx は別物 — 方向別・両端で読む
切り分けの肝は Tx=自分が送信した光、Rx=相手から届いた光、 という区別です。光は2芯で方向ごとに独立し、リンクアップには両方向が生きている必要があります。 だから片端だけでなく両端の DOM を並べて読むのが正解です。
Switch ASFP-A
A-Tx送信B-Rx受信
A-Rx受信B-Tx送信
Switch BSFP-B
A-Tx が B-Rx を、B-Tx が A-Rx を養います。 つまり どちらの Rx が低いかが、壊れている「方向」を指します。
| 観測(両端を読む) | 示すもの | 次の手 |
|---|---|---|
| A-Tx が低い/無光(Low-alarm) | A の SFP 送信器が不良 | A の SFP 交換(メータ不要で確定) |
| A-Tx 正常・B-Rx が低い | A→B 方向の経路損失(汚れ・曲げ・不良パッチ) | その方向を清掃→再測定→パッチ/パネル交換 |
| A-Tx 正常・B-Rx が N/A/無光 | A→B の断線・抜け・芯違い | 結線・極性・該当芯を確認 |
| 両 Tx 正常・両 Rx 正常・無リンク | 光は問題なし | 光以外(種別/波長・極性・duplex・config) |
| Rx が過大(High-alarm) | レシーバ過入力(LR を近距離等) | 光アッテネータ(ATT)を挿入 |
Rx が低いとき、原因は2つ → 遠端の Tx で確定
自局の Rx が低い理由は ①遠端の Tx が弱い か ②その方向の経路損失 のどちらか。遠端の Tx を読めば確定します——遠端 Tx が正常なら経路(清掃/ケーブル)、 遠端 Tx も低いなら遠端の SFP 交換。
04
DOM で分かること・分からないこと
DOM の値は鵜呑みにしない
DOM/DDM は SFP 内蔵の簡易モニタで校正測定器ではありません。 ベンダー差で ±数dB(Extreme は Rx/Tx を ±3dB と明記)ずれます。 明らかな異常検知や傾向把握には十分ですが、しきい値ぎりぎりの判断は光パワーメータで裏取りしてください。
逆に DOM で分からないのは「経路のどの点で損失しているか」と「断線の正確な距離」。 そこは光パワーメータ(区間損失)・VFL/清掃(破断・汚れ)・OTDR(距離)の領域です。
| DOM で分かる | DOM で分からない(別手段) |
|---|---|
| 両端の Tx/Rx・温度・電圧・バイアス電流 | 経路のどの点で損失しているか = OPM/区間切り分け |
| 送信不良・受光低下・過入力の傾向 | 破断・急曲げ・不良コネクタの場所 = VFL/清掃 |
| Low/High アラームとしきい値超過 | 断線の正確な距離 = OTDR |
| — | DOM 非対応 SFP・DAC(メタル)は Tx/Rx 値を持たない |
05
よくある質問
- Q. DOM/DDM の値と光パワーメータの実測がずれるのはなぜですか?
- DOM/DDM は SFP 内蔵の簡易モニタで、校正された測定器ではないためです。ベンダーやモジュールにより ±数dB(Extreme は Rx/Tx が±3dB と明記)の誤差があり、温度でも変動します。傾向把握や明らかな異常検知には十分ですが、しきい値ぎりぎりの判断は校正済みの光パワーメータで裏取りしてください。
- Q. Brocade VDX で Tx/Rx Power が N/A(Optical Monitor: No)になるのはなぜですか?
- show media の Optical Monitor が No は、その光モジュールが DOM/DDM を持たない(光モニタ非対応)ことを示し、Tx/Rx は N/A になります。Vendor が BROCADE でも、DAC/銅(TwinAx) や古い短距離光は DDM 非対応で No になります(非 Brocade 光も Network OS は DOM を表示しません)。N/A は故障ではなく、Connector/Speed/Part Number を見れば DAC・銅か旧型光かを判別できます。実数値が必要なら、DOM 対応(Optical Monitor: Yes)の光に交換するか、光パワーメータで実測します。
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