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Guide · 運用・トラブルシュート

光測定器の選び方と測り方

『どんな機能が要るか』『どう測れば正しいか』はやる仕事で決まります。受光レベルを測るだけなら波長を合わせた OPM 1 台で十分、損失を certify するなら安定化光源とのペア(OLTS)、距離特定なら OTDR——役割分担と、構築・トラブルシュートで実際に効く機能、そして Tx/Rx・損失(dB)の測り方と単位(dBm/µW)の読み方を、変換ツール付きで整理します。

更新 2026-06-21/9/光パワーメータ · OPM · OLTS · OTDR
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何を測るか — Tx/Rx/損失と波長合わせ

DOM が無い・信用できない・区間を切り分けたいときは、光パワーメータ(OPM)で実測します。 見るのは2点と、その差です。

  • Tx 出力:SFP の送信を直接メータへ → データシートの送信範囲内か
  • Rx 受光:受信端で → SFP の受信感度とリンクバジェットに余裕があるか
  • Tx − Rx = リンク損失(dB) ← これが本当の診断値

メータの波長を必ず合わせる

1310nm の光を 850nm 設定で測ると dBm が狂います。 SFP 型番から波長を特定して合わせること(SR=850nm/MM、LR=1310nm/SM、ER·ZR=1550nm/SM)。
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「モード」でなく「波長」で考える

よくある誤解ですが、OPM の検出器はシングル/マルチを区別しません。当たった光のパワーを積分するだけで、 本質は波長です。対応波長を持ち、測定対象に設定すれば 1台で SM も MM も測れます。 SM/MM が強く効くのは光源(OLS)を足して損失を certify するときで、光源・基準コード(TRC)・(MMなら)launch条件を ファイバ種別に一致させる必要があります(MM は 50/62.5µm のコア径一致も)。

測りたいもの必要な機材SM/MM 依存
稼働リンクの Tx/Rx 受光(現場で最多)OPM 単体なし(波長を合わせるだけ)
挿入損失の certify(Tier1)校正済み 光源+OPM のペア(OLTS)あり(種別・波長・launch を一致)
障害点の距離特定(Tier2)OTDRあり(種別ごとのモジュール/設定)
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単位の読み方 — dBm と µW(変換ツール)

多くのメータや DOM は dBm(対数)ですが、Brocade Fabric OS の sfpshow は µW(マイクロワット=リニア)で出ます。 同じ光の強さを別スケールで書いているだけで、1000 µW = 0 dBm を起点に換算できます。 相互変換と受光レベルの目安は、すぐ下のツールで試せます(単独ページ: dBm ⇄ µW 変換)。

変換先 — dBm
-4.56
dBm
-4.56
µW
350
mW
0.35
W
3.500e-7
-40-20-100-4.6 dBm
良好-4.56 dBm / 350 µW

多くの光リンクで健全な範囲です。

※ 一般的な光受光レベルの目安です。正式な良否は SFP のデータシート(Rx 感度 / 最大入力 / Tx 範囲)と突き合わせてください。

dBm ⇄ µW 換算
dBm = 10 × log10( µW ÷ 1000 )
µW  = 1000 × 10 ^ ( dBm ÷ 10 )

暗算: 1000µW=0dBm  /  ÷2 → −3dB  /  ÷10 → −10dB
µWdBm目安
2000+3強い(過入力に注意)
100001mW・強い
500−3良好
100−10やや低め(光種による)
10−20かなり低い・感度ぎわ
1−30ほぼ底(多くの光で感度割れ)
0 / -inf無光=断線・抜け・遠端 down

判定は「閾値」と「損失」で

  • sfpshow は同じ µW 単位で High/Low の Warning/Alarm 閾値を併記。 Rx が low 閾値を割っていないか見れば、変換せず即判定できる。
  • 損失(dB)は µW の比で出す10 × log10(近端Tx_µW ÷ 遠端Rx_µW)(例: 600→150µW = 6dB)。
  • 絶対値の良し悪しは、その光のデータシート(Tx範囲 / Rx感度 / 最大入力)と突き合わせる。
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挿入損失(ケーブル区間の減衰)を測る — 光源(OLS)とペアで

受光は OPM 単体で測れますが、ケーブル区間そのものの減衰(dB)を測る (=対向 Rx が低い原因がケーブルか切り分ける)には、波長を合わせた安定化光源(OLS)とペアにします。 手順は「基準化 → 測定」の2段です(例として光源を持たない E-200 + OLS の構成)。

手順内容
1. 準備OLS と OPM を同じ波長に設定(例 1310nm)。清掃済みのリファレンスコードを用意
2. 基準化(リファレンス)OLS にリファレンスコードを繋ぎ OPM へ直結 → 表示を 0dB 基準(REL)に。光源出力+コード分を相殺
3. 測定リファレンスコードを外さず被測定リンクを間に挿入し、遠端で受光 → 表示 dB = そのリンクの挿入損失
4. 判定リンクバジェット(コネクタ ~0.3〜0.75dB/箇所 + ファイバ減衰 + スプライス)と比較。超過なら清掃/不良/曲げ/長すぎ
簡易な 1 ジャンパ(1コード)リファレンス法。両端に分かれるので 2 台 or 持ち運びが要る。MM は launch 条件(マンドレル/EF)を合わせると正確。

VFL(赤色ペン)を光源代わりにしないこと

  • 損失測定の光源は「安定化光源(OLS)」+「リンクと同じ波長」が条件。安価・ペン型でも「安定化(stabilized)」表記1310/1550nm(SM)や 850/1300nm(MM)を出す製品なら OK。
  • VFL の 650nm 赤色光は不可。非テレコム波長で出力も非安定なため、損失値が意味を持ちません。 VFL は破断/導通/極性の可視化専用と割り切る。
  • 波長は対象リンクに合うものを(SM 用で MM は測れない/その逆も不可)。校正確度は期待せず相対チェック用途。
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機材の役割分担と、現場で必要な機能

「何を買えば足りるか」はやる仕事で決まります。短距離(DC内・建物内・FTTHドロップ)の障害復旧を急ぐ用途なら、DOM + OPM+VFL + 清掃キットで実務の 8〜9 割は片付きます。

機材役割いつ要るか
ライブファイバ検出器(端面検出型・例: Fluke FiberLert)露出端/ポートの活線・無光・極性を即判定(数値なし)差す/覗く前の安全確認・露出端/オープンポートの活線確認
OPM(光パワーメータ)受光/送信レベル・損失(dB)の実測ほぼ常用。リンク健全性チェック
VFL(赤色光源)破断/曲げ/不良コネクタの可視化・導通・極性短距離の物理障害切り分け
OLTS(校正光源+OPM)挿入損失の Pass/Fail certify(文書化)竣工/受入試験・成績書提出
OTDR障害点を「距離」で特定・スプライス損失埋設/長距離・OSP。年数回ならレンタル
FiberLert は露出端/ポートの「有無」だけを端面検出で見るので OPM の代わりにはならないが、差す/覗く前の安全確認の一次切り分けが速い。

現場で必要な機能(構築・トラブルシュート)

製品ごとの価格や性能の優劣は評価が難しく、必要十分も用途で変わります。そこで価格やブランドの比較ではなく、ネットワーク/インフラの構築・障害対応で実際に効く機能を基準に、手持ちの光パワーメータへ 最低限そろえたい仕様を挙げます。

必要な機能なぜ必要か(構築・トラブル時)
対応波長が SM/MM 両対応(850/1300・1310/1550nm)現場は SR=850・LR=1310・ER=1550nm が混在。1台で全部測れないと回らない
dBm と µW の両表示機器 DOM は dBm、Brocade の sfpshow は µW。どちらの値とも突き合わせられる
広い受光レンジ(例 −70〜+6dBm 程度)微弱な受光割れから過入力まで取りこぼさない
Tx 出力の直接測定SFP の送信が規格内かを、その場で確認できる
相対測定(REL/0dB 基準化)安定化光源とペアで挿入損失(dB)=区間の良否を出せる
VFL(赤色光)内蔵 or 併用破断・曲げ・極性・対向先の可視化を同じ現場で行える
可搬性・電池駆動・オートオフラック間〜屋外を持ち回る現場で実用的
しきい値での Pass/Fail、測定値の記録・Bluetooth 連携などは『あると便利』。成績書(certify)が要る現場でのみ重視する。

確度と校正

安価な機種は確度が ±数dB程度で、相対比較・健全性チェックには十分です。 一方、成績書(certify)を出す用途には、校正済み(トレーサビリティのある)機を使います。

次の Elfcam E-200 は、これらの条件をほぼ満たす手頃な 1 台の例です。

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Elfcam E-200 でできること/できないこと

主軸として手頃なのが Elfcam E-200(Amazon)。安価ながら、トラブルシュートの実務はほぼこなせます(下表)。 ※ Amazon アソシエイトのリンクを含み、購入で当サイトに収益が入る場合があります。

Elfcam E-200 光パワーメータ(VFL 内蔵)本体
Elfcam E-200(光パワーメータ+VFL)
できるできない(別機材が必要)
稼働 SFP の Tx 出力測定(規格内か)挿入損失の certify = 安定化光源(OLS)が必要
受信端の Rx 受光測定(感度割れ判定)障害点の距離特定 = OTDR
7波長(850〜1625nm)→ MM/SM 両対応自動 Pass/Fail の成績書 = OLTS / Fluke クラス
VFL(赤)で破断/曲げ/不良コネクタ可視化・導通・極性高確度・校正トレーサビリティ
−70〜+6dBm、µW/dBm 表示

E-200 で損失を測りたいなら

E-200 は光源(OLS)を内蔵しません。挿入損失を測るには、対向側に波長を合わせた安定化光源(SM=1310/1550nm、MM=850/1300nm)を1台用意してペアにするか、光源内蔵の OPMを選びます。MM を正確に測るには launch 条件(マンドレル/EF)も合わせます。

Fluke クラスは「別の仕事」用

自動判定プローブや OTDR(Fluke / EXFO 等)が要るのは、成績書を出す certify埋設の距離特定といった用途。即対応の切り分けには OPM+VFL で十分で、 OTDR は使用頻度が低ければ買わずレンタルが定石です。前提知識は 光ケーブルと端子の基礎 も参照。
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よくある質問

Q. 光パワーメータはシングルモードとマルチモードで別物が必要ですか?
受光レベルを測るだけなら不要です。パワーメータの検出器はモード構造に依存せず、本質は『波長』です。対応波長(例: MM の 850/1300nm、SM の 1310/1550nm)を持ち、測定対象の波長に設定すれば 1 台で両方測れます。ただし光源(OLS)を足して損失を certify する場合は、光源・基準コード・(MMなら)launch条件をファイバ種別に一致させる必要があります。
Q. Brocade の sfpshow は Tx/Rx が µW(マイクロワット)表示です。どう読みますか?
µW はリニアな絶対値で、1000 µW = 0 dBm が基準です。換算は dBm = 10 × log10(µW ÷ 1000)。暗算では µW が ÷2 で約 −3dB、÷10 で −10dB と読めます(500µW≈−3dBm、100µW=−10dBm、10µW=−20dBm)。良し悪しは sfpshow が同じ µW で併記する High/Low 警報閾値と比べれば変換不要で判定でき、損失は 10 × log10(近端Tx_µW ÷ 遠端Rx_µW) で dB 化します。0 µW や -inf は無光(断線・抜け・遠端 down)を意味します。

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